(机をバンバン叩きながら)
はい、前回死にフラグを立てて1ヶ月放置という荒業をやりましたNene-Keyですごめんなさい。
毎日見に来てくれている方がいらっしゃるようで、アクセス解析を見て大変申し訳なく。
空き時間にシナリオに関する本を読んだりしているのでなかなか時間がなかったのでございます。
……ほんとですよ?決してマビノギばっかりやっていたわけではありませんよ信じてー
さて、一ヶ月くらい話題に乗り遅れた感がひしひしとしておりますが、今回は新作『ブレイド・オブ・アルカナ The 3rd Edition(以下BoA3rd)』の新要素であるところの「エピックプレイ」について感じたことを。
■エピックプレイによる利点とは
エピックプレイを導入することによって得られる利点を、私が感じた限りでざっと挙げてみます。
▼キャラの強さ(経験点のつぎ込み)によるシナリオ参加の拒否が減る。
BoAやトーキョーN◎VA、ダブルクロスなどのように、PCにLVという概念が無く、経験値もPLの所有するものを使用するタイプのシステムにおいて、お気に入りのPCなどに経験値をつぎ込みすぎて強くなりすぎてしまう、ということになりがちです。強くなりすぎたPCはシナリオのバランスを著しく崩してしまうため敬遠されやすく、お気に入りのPCなのにセッションに出られないというジレンマが発生してしまいます。また、シナリオごとにバランスは異なります。そのため、きついバランスのシナリオ向けに調整したPCは、ゆるいバランスのシナリオでは強すぎるPCとなりやはり敬遠されてしまいます。
エピックプレイでは、シナリオごとにPCを作成しなおします。また、経験点も全て使用する必要はないため、シナリオの傾向にあわせてPCの強さを調節することができます。
▼過去のPCと未来のPCによる矛盾が起こりにくい
アクトによっては、PCの過去におけるシナリオを遊ぶこともあります。しかし、基本的にTRPGはPCを強くするルールはあっても、強くする前に戻すルールはほぼありません。その結果、昔のPCの方が強かったり、特技が多かったり、アルカナ変更で矛盾が発生したりするといった問題がありました。
この問題も、エピックプレイではシナリオごとにPCを作成しなおせるため、時系列に縛られずにPCの強さを変更できます。
▼キャラクター資源の枯渇が起こりにくい
BoAはハンドアウトを用いて因縁や推奨アルカナを指定することも多いため、その推奨に合うPCを持っていない場合は新しいPCを作る事が殆どでした。しかし、PLの経験するアクト回数が増えていき、PCもそれにつれて増えていくと、どうしても似たり寄ったりな性格のPCが何人もいたり、いまいちプレイするのに気が乗らなかったPCも出てきます。PLも引き出しをたくさん持っていれば何人でもPCを演じきれるかもしれませんが、全てのPLがそうというわけでもなく、キャラクター資源の枯渇が発生することも多くなります。
この問題も、エピックプレイによって、毎回性格の異なる新しいPCを作成しなくても、シナリオに適するように調整を加えて同じPCをプレイできる可能性が高まりました。
▼より複雑な成長が可能
人は成長だけでなく、時には勘を忘れたり、腕が鈍ったりもします。「後の年代では昔持っていた特技のレベルを減らす」などの工夫をすることで、時の流れによる変化が再現でき、キャラクターに深みを出すことも可能でしょう。
▼キャラの年が把握しやすい
エピックシートに生まれた歳を記述でき、またセッションにおいてもアクトの年代を設定することが多くなるため、PCの年齢が把握しやすくなります。
私のPCはシステムが版上げすると一斉に歳を取っていたものです(遠い目
▼コンボを試したいだけの一発キャラが減る
「このコンボがやりたいんだ!」とデータへの熱い情熱だけで組み上げた0経験点(しかもそのコンボに能力の大半を使ってしまって他はボロボロ)のPCを作ったことはありませんか?そしてそのコンボを試してみてすっきりしたあとにお蔵入りになってしまった経験はありませんか?
そんなあなたにエピックプレイ。毎回再作成できる上に、つぎ込んだ経験点はPCが死なない限り毎回戻ってきます。これで、「やりたいコンボがあるんだけど、それだけのために経験点使うのもなぁ」とか、「これは凄いと思って作ったコンボが思ったよりよくなかった。経験点返せー」なんて悩みもすっきり解消です。
▼データはひどいがいいキャラになったときの救済措置となる
メイクアップで作成したはぢめてのPC。しかし組み合わせがよくなかったのかデータはボロボロでトループにも苦戦する始末。でもそういうPCに限ってキャラ性がよくてこのまま使い続けたい……なんて経験、ありませんか?ありますよね(断定)。そんなあなたにエピックプレイ(以下略)
■では、エピックプレイによる欠点は?
……とまぁ、利点が盛りだくさんのエピックプレイですが、当然欠点らしきものもあります。
ですが、以下に挙げる欠点はどれもPLレベルで気をつけていれば問題ないと思われます。
▼PCの一貫性に、より神経を使う
毎回PCを再作成できるということは、毎回別のキャラクターを作ってもよいということです。しかし、調子に乗ってデータを大幅に変更しまくったりすると、PCの一貫性がかなり損なわれます。例えば、つい1年前までアルドール3つだったPCが今ではアングルス3つになったりした日には大変です(その逆はあり得そうで怖いですが)。
▼経験点が減りにくいのでパワーゲームになりやすい……かも
利点で挙げた通り、同じPCで様々なことが試せる上、経験点も減りにくい仕様となっています。たとえPCが死んでも、それ以前の年代では普通にアクトに参加できてしまうので、経験点が減る機会が少なくなっているのです。よって、どこを見ても高経験点キャラ……という光景も珍しくなくなるかもしれません。
▼同じキャラを使い続けられるため、キャラクターの幅が狭まりがち?
「シナリオに合わせて新しいPCを作る」ではなく、「既存のPCをシナリオに合わせて作り直す」ことができるため、極論すれば1人のPCさえいれば全てのアクトに参加できます。よって、無理にPLがプレイするキャラクターの幅を広げなくてもよくなるかもしれません。
たまには、自分でやったことのないキャラクターをやってみて目覚めるといったイベントもあったほうがよりTRPGを楽しめると思います。
■エピックプレイの可能性
エピックプレイは、既存のプレイで起こっていた問題点を解決し、また確実にBoAの遊び方の可能性を広げたと言えます。エピックプレイの魅力や効果は、今挙げた点だけではありません。遊びこんで行く内に、さらに魅力が発見できることでしょう。
こちらの記事で書かれているように、エピックシートを「PC」ではなく「立場」として遊ぶという方法も面白い可能性だと思います。
というわけで、今日はこのへんで。
エピック!エピック!!
(机をバンバン叩きながら)