えー……放置が甚だしい今日このブログ、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
最近仕事が忙しいとはいえ、さすがに放置しすぎだと思うのでここはきちんと更新を。
そうしないと3月は何もかかずに終わってしまう可能性がありまs(うわーなにをするきさまらー
今回は、TRPGに対してそれぞれの人が持っているスタンスについて書いてみます。
この記事も前回の色眼鏡同様、賛否両論ありそうな話題なのですが……
■あなたにとってTRPGとは?
TRPGは、カテゴリとしては「ゲーム」であり「遊戯」です。
ところが、「TRPG」というカテゴリに対する皆さんのスタンスは、それぞれ異なるものだと思われます。
その人にとって、TRPGとは何か。暇があれば積極的に遊びたい「趣味」の人もいれば、その場しのぎの刹那的な「遊び」としてプレイする方もいるでしょう。はたまた、色んなモノを削ってでもプレイしてしまうような命かけちゃってる人もいるかもしれません。
これは、TRPGに限ったことではなく、何事でもそうです。例えばサッカーでも、専門的な技術も何も考えずにボールをゴールに入れるだけのルールで遊ぶ人もいますし、ワールドカップ出場などの人生かけて取り組む人もいます。
この記事を読んでいるあなたにとって、TRPGとは一体どういうものでしょうか?
私にとっては、かなりお気に入りの「趣味」です。社会人になってプレイ回数が減ったものの、それなりの回数は遊んでいますし、遊ぶ意欲もあります。新しいシステムやサプリメントは結構手を出します(そして日の目を見ないシステムもげふんげふん)。
■TRPGへのスタンス
TRPGに対するスタンスは、大まかに4種類に分けられると考えています。
その種類とは、「遊びの一種」「ライトな趣味」「ヘビーな趣味」「それ以上」の4つです。
……いいかげんなネーミングとか言わないように。
かなり個人的な意見(偏見?)が入っていますが、4つのスタンスはざっと以下のようなスタンスです。
▼「遊びの一種」としてのTRPG
TRPGを「遊びの一種」として見る場合、その人にとって「TRPG」の優先度は「それ以外の楽しみ」と同程度、もしくは低いものと考えられます。人が集まった、もしくは定期的に人が集まる環境において、積極的に「TRPG」を選ぶ必要はなく、例えば「カラオケ」のほうが楽しそうならばそちらを楽しむ、といったスタンスです。
このスタンスの場合、TRPG以外にも楽しいものはたくさんあるため、TRPGにだけ力を注ぐことは殆どありません。また、手軽に楽しむのを好むため、あまり細かいことを気にしたくはありませんし、TRPGで苦労したり嫌な事があれば離れていきます。
▼「ライトな趣味」
TRPGを「ライトな趣味」としてみる場合、その人にとって「TRPG」の優先度はそれなりに高くなります。いわゆるTRPGを「気にいっている」状態で、積極的にTRPGをプレイします。
このスタンスの場合、TRPGが自分にとって「楽しいもの」である限り、積極的にプレイします。ルールや世界観もそれなりに知識を得ようとしますが、あまりに量が多かったり、細かい戦術やデータの組み合わせ等の込み入った作業的な部分はあまり好きではありません。それよりは、演出や台詞回しなどのビジュアル面に強く訴える部分を好みます。
▼「ヘビーな趣味」としてのTRPG
TPRGを「ヘビーな趣味」としてみる場合、その人にとって「TRPG」の優先度は結構高くなります。例えば、休日は出来るだけTRPGを遊びたい、自分で人を募集してセッション開いてみようか、今よりもっと楽しく遊ぶにはどうしたらよいのだろうと考えるなど、TRPGに対して積極的な感情を持ち、活動をするスタンスです。
このスタンスの場合、他の遊びよりもTRPGを優先的に考え、よりTRPGを楽しく・うまくプレイするために、いわゆる「テクニック」を習得しようとし、そのためにはそれなりの苦労もします。シナリオの完成度を上げるために日々シナリオを練ったり、表現力や引き出しを増やすために様々な文献や作品を見たり、TRPGについてのテクニックについての記事を雑誌やWebで読み漁ったりなど、まとまった時間や労力を要する事もこなします。まぁ、多くの場合、好きなことに対する苦労なので苦にならない人も多いのですが。
▼「それ以上」としてのTRPG
TRPGを「遊びの一種」でも「趣味」でもなく、「それ以上」として見る場合、その人にとって「TRPG」は非常に優先度が高くなります。可能な限りTRPGをプレイし、技術を磨き、知識を溜め込み、セッションごとに分析・反省をし、次に生かし、時には後輩を指導する……人生の大半をTRPGで占めているスタンスです。
■スタンスの違い
スタンスというのは、ある物事に対してその人がどの程度まで自分のリソースを消費できる(消費したい)か、と言い換えることが出来ると思います。
上の4つのスタンスで言えば、「遊びの一種」や「ライトな趣味」の場合、TRPGだけに時間をかけたいわけではないし、そこまで頭を唸らせたくないスタンスとなります。逆に、「ヘビーな趣味」や「それ以上」の場合、自ら好んでTRPGに対して頭を捻り、日々TRPGに対して時間を費やすスタンスとなります。
さて、スタンスの違いというのは様々な軋轢を生み出します。TRPGにおいては、最近の遊び方はよくないだとか技術が発展しないだとか言われているのはその部類だと言えます。確かに、「ヘビーな趣味」としてTRPGを捉えている場合、演出や派手さを前面に押し出した最近のシステム、特にFEAR社のシステムは物足りないかもしれません。しかし、色眼鏡の記事でも書いたとおり、初心者が手軽にTRPGを楽しむには十分なシステムとして設計されています。そして、「遊びの一種」や「ライトな趣味」のスタンスを持つ人にとっては、それで十分楽しいものなのです。
■スタンスは人それぞれ
今の自分のスタンスを抜けて別のスタンス、(通常で言えば「遊びの一種」→「ライトな趣味」→「ヘビーな趣味」)へと移行するか否かは、本人が決めることです。スタンスの変更を強制し、自分と異なるスタンスを持つ人を否定するのは愚かな行為でしょう。TRPGの技術や知識を蓄え、上達することに喜びを感じる人と感じない人がいるのは当然のことです。そして、上達を望まない人に上達を強制してもお互い良いことはありません。「別にそこまでやりたい訳じゃない」「なぜここまで言っているのに上達しようとしない」と険悪な雰囲気になるだけです。
スタンスというものはどのスタンスが正しいという正解はありません。緻密な戦略と計算によってダンジョンを踏破するのも、派手な演出で物語を紡ぐのも、どちらもそれでしか味わえない楽しみや醍醐味があります。片方だけを支持し、片方を否定するのはやはり賢明ではありません。
自分と異なるスタンスの人とセッションをする場合、どちらも楽しくセッションをするために必要なのは、相手を説得する言葉ではなく、歩み寄りです。相手のスタンスに対して理解しようとする姿勢が最も大事なのではないかと思います。