■プレイヤーとキャラクター
プレイヤーキャラクター(以下PC)をプレイするのはプレイヤー(以下PL)です。
今回のコラムでは、TRPGで最も深いであろう、PCとPLの関係について取り上げてみます。
どのPCも毎回PLの性格と変わらなかったり、違うPCを演じているはずなのにいつも似たようなキャラクターになってしまったりする人には役立つかもしれません。また、PCの設定にこだわりすぎてセッションを停滞させてしまうようなこともなくなるはずです。
この話題については多くのTRPG関係のコラムでも見られますが、やはり外せないのでこのコラムでも書いてみます。
それだけTRPGにとって深いテーマであるということですし、実現するには結構難しいテクニックですからね。
なお、今回はちょっと難しい話になるかもしれませんのでご注意ください。
■PLとPCは別人
PCはセッション中に活躍するキャラクターです。
PLはそのキャラクターを演じる人です。
PLはPCを演じ、PCとして考え、会話し、行動を選択しますが、PLとPCは別人と言えます。
PLとPCの違いを挙げてみましょう。
▼肉体面:容姿・身体能力
PCの見た目や肉体的な能力です。「設定」としてPLがPCに対して作ったり、能力値やスキル等で表されたりします。
TRPGのキャラクター表現は実に多彩です。
作ろうと思えば、10歳で巨大な戦斧をブン回す美幼女からムキムキ☆マッチョダンディーな美老人まで作れます(システム的に作れないことも多々ありますが)。
PCの容姿や身体能力に関しては、多くのシステムでは一般人よりも優れています。
PCに美男・美女が多いのはもはや常識といってもいいくらいですし(PLとしてもカッコいい、可愛いなPCを演じたいでしょうし)、身体能力は一般人では到底できないことをやってのけます。
PLがPCは自分自身という設定で作成でもしない限り、PCの容姿や身体的能力はPLとは大きく異なるものとなるでしょう。
▼精神面:性格・考え方・価値観
「設定」としてPLがPCに対して作ったり、データやスキルとして設定されるものもあります。
性格や考え方、価値観というものは生まれ育った環境や経験に大きく依存する部分があります。
PLとPCでは当然生まれ育った環境が異なりますので、異なる性格、考え方、価値観を持つはずです。
特に、人間以外の種族の場合、そもそも生物学的に異なるため、人間とは精神構造自体が異なることも多いでしょう。
倫理的な部分から他の種族と異なる場合もあります。
▼社会面:立場、地位
PLが「設定」としてPCに対して作るものと、システム的なデータによって決めるものがあります。
世界設定により異なりますが、PCの社会的地位や立場は大抵職業で決まります。
ファンタジー世界なら、神に仕えるプリーストは一般の人よりは地位が高いでしょうし、盗賊は地位が低いでしょう。
社会的地位や立場というものは、人間の行動に非常に影響します。
地位や立場が弱い故に上のものからの命令を断り切れなかったり、社会的地位の高さ故に信念に反して弱きものを見捨てなければならなかったりと、同じ状況でも地位と立場によって対応が変わる、もしくは変えざるを得なくなることがあるのです。
▼知識・経験
PLとPCでは、所持している知識と経験が非常に異なります。
まず、PCはPLの持っていない知識や経験を数多く持っています。
現実世界では体験できないような出来事が日常茶飯事に起きている世界で生きているためです。
経験で言えば、PLは剣や魔法、銃器による戦闘経験はほぼないでしょうし、ドラゴンに囚われたお姫様を助けたり、雨あられと降り注ぐ銃弾をかいくぐって何十人もの刺客を倒したりすることなど普通できません(というより、経験する機会自体がないでしょうが)。
知識においても、魔法の詠唱の仕方など知りませんし、世界の真理も知りません。
逆に、PLもPCの持っていない知識や経験を数多く持っています。
現実世界の常識(ただし、現代社会が舞台のシステムなら多少は知っているでしょう)、世界設定やデータ(PLはルールブックを読むことでPC以上に世界を知り、データに詳しくなることが可能です)、自分が見聞きしていない事象(PLはPCが登場していない場面も見ることができます)などです。
PCとPLはそもそも生活している世界が異なるため、知識・経験が異なることは当然と言えます。
▼PCの運命
PLはPCの運命をある程度握っています。
PCにとっては偶然の出来事でも、それはPLが意図的に起こしたことかもしれません。
事件の重要な現場に「偶然」居合わせたり、たまたまふらりと立ち寄った酒場に重要な情報を持つ人物がいたりとPCには偶然の出来事ですが、PLはそうなることを知っていて(もしくは予想して)いることもあります。
■PCを演じるということ
上で挙げた通り、PCとPLでは非常に多くの点で異なります。
もちろん、上で挙げたことだけでなく、細かい部分の差異は無数にあるといってもよいでしょう。
あくまでPLはPCを「演じて」いるのであり、PLがストーリーの中で活躍しているわけではないのです。
そのことを意識するだけでも、ロールプレイに違いが出てきます。
■PCの行動
セッションはPC達の行動によって進んでいきます。
TRPGは行動の決定権はPCにあり、かなり自由な行動ができます。
ですが、PCそれぞれが好き勝手な行動を行ってしまっては話が進まないばかりか破綻してしまう恐れすらあります。
それを防ぐためには、現在の状況をよく考えた上での行動が必要となります。
ここでは、PCがPCらしく、かつセッションの進行を妨げないような行動を取るための指針を考えてみたいと思います。
▼PCができること/やりたいこと ―PCの視点で考える―
まずは、現在の状況に対してPC自身がどうしたいのかを考えます。
PCの行動方針を決定する際には、そのPCがどういう性格・考え方・価値観をもっているのかが重要になります。
同じ状況でも、考え方・価値観が異なれば行動方針も変わってきます。
例えば依頼一つにしても、人殺しの依頼は受けない、子供の依頼からは報酬をとらないなど様々な考え方があります。
PCが人間以外の異種族ならば、人間ならば当然と思える行為でも、異種族にとっては当然でないこともよくあるものです。
これらのことを踏まえ、「そのPCがどうしたいのか」を考えます。
次に、そのPCがやりたい行動が実現できるのかを見積もります。
これには減殺のPCの置かれている状況やPC自身の能力が主に影響します。
力仕事がか弱い女性に依頼されても実現そのものが難しいでしょうし、満身創痍・疲労困憊の状況で強力な敵と戦ったら死んでしまうかもしれません(むしろ、しんで しまい ますよ!)。
現在の状況を考え、PCのやりたいことが実現可能かどうかを見積もったら、その結果に対してPCがどうしたいのかを考えます。
自分の能力で実現不可能ならば諦める、無理をしてでも試みる、他の人に助力を頼むなどの選択をするでしょうし、実現可能なら快く受け入れる、見返りを要求するなど具体的な話に持ち込むことになるでしょう。
このように、「そのPCのやりたいことと状況とをすり合わせる」必要があります。
さらに、PCの社会的地位や立場によってもその行動は左右されます。
人助けをしたいところだが重要な任務を受けていてできない、身分の違いで愛する人を諦めなければならないなど、PCの立場によって「やらなければならないこと」や「諦めなければならないこと」があります。
もし、PCが社会的地位や立場にそぐわない行動をする場合、相応の覚悟がいることになるでしょう。
例えば、所属している組織から脱退したり、報復を受けることを覚悟しなければならないかもしれません。
先ほどの、PCがやりたいことと状況とをすり合わせた結果に、PCの社会的地位や立場が影響するかを考える必要があります。
影響は悪いことばかりではありません。地位や立場をうまく利用して物事を有利に進めることも可能です。
高い地位や立場にいれば、偉い人との交渉もやりやすくなるでしょうし、低い地位や立場でも、スラムに顔が利き情報が手に入りやすくなるなどの利点もあるはずです。
このようにして、最終的な「PCが現在の状況でできること/やりたいこと」を決定します。
▼シナリオとしてやるべきこと ―PLの視点で考える―
シナリオには大まかな話の筋があります。
PCが行動する際、話の筋として「取って欲しい行動」と「取って欲しくない行動」があり、セッションとしては「取って欲しい行動」を選択したほうがよい結果となります。
シナリオにおいて「取って欲しい行動」はそのシナリオ毎に変わりますが、基本的なこととして以下の二つがあげられます。
ひとつめは、「シナリオに参加する」ことです。シナリオの導入部分でPCが依頼を受けなかったり、重要なNPCに絡まなかったりとPCがシナリオに絡めないような行動をとってしまうとシナリオが進まないか、PCがやることがなくなりそのPLが不満を持つでしょう。
ふたつめは、「場の雰囲気に沿った行動をする」ことです。「場の雰囲気を読む」ことの大切さと、「場の雰囲気を壊す」ことの危険さは前回のコラムで書いた通りです。
この二つは基本としてどの場面でも考慮すべきことです。
他は状況により変わりますが、できるだけ「シナリオが進む」方向に持っていけるような行動を取るようにしましょう。その上で、「場が盛り上がり、シナリオがより面白くなる」行動が取れればベストです。
▼行動決定
「PCが現在の状況でできること/やりたいこと」と「シナリオとしてやるべきこと」をすり合わせ、最終的なPCの行動を決定します。
この両方が一致していれば特に問題なく行動を決められるのですが、そうはいかない場合もあります。
そういった場合、PCはどう行動したらよいのでしょうか。
基本的には、「シナリオとしてやるべきこと」と「PCがやりたいこと/やるべきこと」が完全に相反するものだった場合は、できるだけ「シナリオとしてやるべきこと」を優先させましょう。時には自分の意見を引っ込めることも重要なことです。
なお、「シナリオとしてやるべきこと」と「PCがやりたいこと/やるべきこと」を両立させる方法もあります。その方法は後にこのコラムで紹介します。
■設定ってのは縛られるもんじゃない
PCの設定を重視するあまり、「俺のPCはこんなことはしない」とか「私のPCはこんな状況にはならない」などと主張する人もいるかもしれません。確かに、PCの設定に反するような行動を取ったり、PLの望まないような状況にPCが陥るのは気分のいいものではないかもしれません。
ですが、PC個人の「設定」やPL個人の「感情」のみを突き通して(あるいはごり押して)セッションそのものを停滞(ひどいときには崩壊)させることなどもってのほかなのです。
「設定」というものはTRPGを「楽しく」するものであり、決して「設定」を盾に我侭を通したり、「設定」に縛られすぎてセッションを停滞させるものではないのです。それはもはや「設定」という名前を借りた「悪意」に他なりません。
「じゃあ、設定なんてつけるだけ無駄だよね。むしろつけたほうが弊害が多いんじゃない?」と思ったかもしれません。
しかし、PC個人に「設定」がなければPCはただのデータの塊であり、もはやキャラクターとしての個性もなく、TRPGというよりはシミュレーションゲームでもやっていたほうがはるかに面白いような状態になりかねません。
せっかくTRPGを遊ぶのですから、「設定なんてつけてもシナリオの流れに流されるんだからつけるだけ無駄」と考えるよりも、「シナリオの流れの中で設定を生かすような方法を考える」ほうがはるかに建設的です。
それでは、PCの「設定」を生かしつつ、「シナリオとしてやるべきこと」を実現するにはどうすればいいかを考えてみましょう。
▼シナリオに参加しやすい設定にする
最も簡単な方法で、「シナリオとしてやるべきこと」に反発しないような設定をつけてしまう方法です。
具体的には、「人の頼みを断れない」とか「困っている人を見ると助けずにはいられない」などの設定にします。
シナリオの多くは依頼やお願い、もしくはPC自身の正義感に訴える形でセッションへの参加を促す場合が多いので、この方法は最も手っ取り早いでしょう。
基本的にポジティブな性格にするのがコツです。また、否定的な性質を持つ設定は避けます。「〜からの依頼は受けない」とか「人と接触したがらない」などのネガティブな設定はあまりつけないようにしましょう。もしつけるとしても、別の方法で人と関われるような設定(美人からの依頼なら受けるなど)にしておき、事前にGMや他のPLに公開し、了承を得ておきましょう。
また、設定を多くつけたり細かく作り込むと、設定に縛られて融通が利かなくなりがちですので気をつけましょう。
大まかな性格だけ決めて、あとはシナリオ中にあった出来事を拾って設定を作っていくという方法もあります。
▼人の心は型にはまるもんじゃない
誰にでも「気まぐれ」はありますし、「なんとなく」といった理性では説明できないような心の変動も起こり得ます。
また、第六巻やカンなどの予感もあります。
クールな暗殺者が少女の涙と小銭がみっしり詰まったぶたちょき(注:豚の貯金箱)で依頼を受けることも、長年のカンでいけ好かない依頼人をしぶしぶ助けることもあり得るのです。
「PCがやりたくないこと」が「シナリオとしてやるべきこと」になった場合、この「気まぐれ」や「カン」を「シナリオとしてやるべきこと」をPCが行う理由にすることができます。
シナリオという形でストーリーが提供される以上、シナリオに沿った行動をすればPCは事件や特別な出来事に巻き込まれるはずなので、カンや気まぐれがその発端となっても不自然さはほとんどないでしょう。
▼PCとPLの違いを利用する
PCとPLの違いは先に述べた通り様々ですが、その中でも「シナリオにおけるPCとPLの情報格差」と「PLがPCの運命をある程度握っている」ということを利用します。
シナリオ中、PCは自分で見聞きした情報、あるいは自分で元々知っている情報のみを利用することができます。
しかし、PLはPCが見聞きしていない情報も知ることができます。具体的には、自分以外のPCのデータやPCが登場していない場面で起こった出来事などです。
この「PCは知らないがPLは知っている情報」と「PCもPLも知っている情報」。さらに「PLの先読み」も加えて、PCが最終的に「シナリオとしてやるべきこと」を達成できるようにPLが色々と手を尽くすのです。
例えば、PCに「村に出没するモンスターを退治する」依頼が来た際、PCが何らかの理由で依頼を断りたい時は一旦断ります。
その後、PLが(PCはわざとである必要はありません)わざとPCを村を世に出歩かせてモンスターに襲われ、事件に巻き込まれる形でシナリオに参加するといった方法です。
「PLはPCの運命をある程度握っている」ということに注目すれば、PLが「意図的」にPCを「偶然」事件に巻き込まれるような場面に登場させて、結果的に事件に絡んでいくような形に持っていけるのです。
いつごろかは忘れましたが、トーキョーN◎VAの記事にも似たようなことが載っていました。
臆病なキャストが、事件の裏で強大な権力を持つ組織が絡んでいることを知った途端に、ガクブルと震え出し「冗談じゃねぇ!俺は降りるぜ!!」といって逃げ出してしまったそうです。しかしそのキャストはきちんとクライマックスで登場し、「クソ!なんでこんなことになっちまったんだ!?」と悪態をつきながら自分の役目をこなしアクトに最後まで参加したそうです。
確か記事には書いてなかったと思いますが、もしかしたら彼は自分の身を守るためという名目でその事件の動向も調べ、他のPLの役にも立っていたのかもしれませんね。
この方法はPCの設定や性格を生かした上でシナリオへの参加とシナリオを進めることを同時に達成できます。
ただし、少々難しい方法でもあります。
まず、GMや他のPLの協力が必要な場合が多いことです。結果は同じとはいえ、GMやPLの想定しているストーリーから少々外れるわけですからGMや他のPLの了承は必要ですし、機転も必要になってきます。予め「シナリオは進むような結果を出すから、こちらの設定にあわせてちょっと経緯を工夫したい」ということを伝え、了承を取るほうがよいでしょう。慣れたGMやPLならその辺を察して合わせてくれることもあり、その場合一味違った面白いセッションができることでしょう。
次に、想定されている方法以外でシナリオの参加を行うわけですから、PL本人の話の持って行き方も考えなければなりません。
GMが臨機応変に場面を作ってくれることもあるでしょうが、PLのほうからこういう場面が欲しいとGMに提案し、「シナリオとしてやるべきこと」に向かっていくことも必要となってくるでしょう。
この方法はやり方が少々難しく、また失敗するとシナリオに絡めなくなる可能性もあります。
ですが、成功すればPCの持ち味を損なうことなくシナリオに参加できるという利点も持ち合わせています。
特殊な設定や詳細な設定をもつPCを演じる際には必要なスキルとなるでしょう。
逆に言えば、このようなスキルがなければ特殊な設定や難しい設定をもつPCを演じることは避けるべきだということです。
■PCは参加せずとも、PLは参加する
TRPGに慣れてくると、困った人の依頼をホイホイ受けるような正義感のカタマリのようなPCや、金しだいでなんでもやる冒険者のようなPCに飽きてくるPLも多いでしょう(この例に挙げたPCはつまらないPCといわけでは決してありません。キャラクタータイプとしては明快な面白さがあり、重要な役回りを持つことが多い、いわゆるスタンダードなタイプです)。
すると、次の段階としてちょっと変わったキャラクターをやってみたくなります。
また、小説や漫画には無口で人との関わりを好まないようなキャラクターが活躍しているものもあり、そういうキャラクターは得てしてカッコいいものです。
そういうキャラをPCのモチーフにすることもあるでしょう。
PLは往々にして忘れやすいのですが、小説や漫画でキャラクターが活躍できるのは作者がそうなるように場面・他の登場人物・ストーリーを作っているからです。しかも話の整合性や面白さを話全体の観点から何度も推敲して書いています。
しかし、TRPGはPLが一人でやるものではありません。シナリオは主にGMが用意しますし、他の登場人物は他のPLが担当します。
ですから、無口で人との関わりを好まないPCをポンとシナリオに参加させても、思うように活躍はできず、無口で人との関わりを好まないという設定ゆえに他のPCとも絡めずに、シナリオに参加できなくなるのです。そして自分の予想を大きく外したPLもふてくされてしまい、さらにシナリオに絡めなくなるという悪循環が生じます。
そうならないようにし、なおかつPCを活躍させるためには、小説や漫画で言うところの作者、つまりGMとPLが相応の場面や話の展開を用意する必要があるのです。
そのため、PCは参加する意思はなくとも、PLは参加する意思をはっきりと持ち、PCが参加し活躍できるようにする必要があるのです。
「PCが活躍できるように話を持っていくのがGMの仕事だろ」という意見を持っている人もいるでしょうが、それならばGMが要求したキャラクタータイプで参加し、素直にGMの指示に従いましょう。
PL自身の努力と協力なしにPCの活躍を望むのならば、GMの指示に従うべきです。
全てGM任せにしたい。
でも自分のPCの設定どおりに動けなきゃつまんない。
ボクのPCが活躍できなくてセッションがつまらないのはGMが悪いんだ。
そんな考えでTRPGに参加すること自体、GMと他のPCに失礼です。
■「だって、このキャラはこういう設定だから」
TRPG関係のコラムでは必ずといっていいほど出てくるフレーズです。
このフレーズは主に設定を盾に自分の我侭を通そうとするPLが放つ我侭のカタマリとして有名ですが、この主張自体はそれほど悪いことでもありません。むしろ、設定が何もなく、こだわりもないイエスマンやただのデータのカタマリよりもよいと思います。
このフレーズを使う人の多くで問題となるのは、「このキャラはこういう設定だから」という部分で考えるのをやめてしまうことです。
「こういう設定だから、その依頼は飲めない」と頑なに拒否する姿勢、いわゆる「我侭」が非常に問題となります。
そこから一歩進んで、「こういう設定だが、シナリオにはこういう形で参加するから大丈夫だよ」という所まで考え、GMや他のPLが納得できる形で提供できれば、キャラクターの設定を大事にする姿勢、いわゆる「こだわり」も問題はなくなるのです。
■譲歩と協調性
結局の所、TRPGで大切なことは簡単にまとめられてしまいます。
それは、「譲り合いと協調」です。
自分の他にGMとPLがいるTRPGでは、自分一人の我侭が全て通ることはありません。
それに、GMや他のPLだってあなたと同じように自分のやりたいことをやりたいのです。
参加者全員が互いに譲り合い、協力することで各々のやりたいことをやれるようにすること。
これがTRPGで大切な事だと言えるでしょう。